冷湿布と温湿布の使い分けは?

外来診察の場でよく患者様から受ける質問に「今の私の状態には、温湿布と冷湿布どちらがよいのですか?」というものがあります。
私は「捻挫、骨折、打撲のような外傷の急性期には冷湿布を用い、慢性的な腰、肩、膝などの痛みには温湿布を使用してもよいと思います。ただし、慢性的な痛みに対しても『冷湿布を用いた方がいい』とおっしゃる方がいますので、慢性的な痛みに対しては使用して快い方を使って下さい」と答えることにしています。

湿布はパップ剤と呼ばれている製剤で、温感パップ剤と冷感パップ剤というものがあります。「温感」、「冷感」とあるように温かく感じる、冷たく感じるパップ剤ということです。患部の冷却効果や保温効果はほとんどありません。
冷感パップ剤には清涼感を感じさせる物質が、温感パップ剤には温かく感じさせる物質が膏体に練りこんであるだけで、実際の皮膚の温度は 0.5℃程度しか変化しないとされています。特に外傷などで炎症を抑えるために冷却する際は、冷湿布だけでは不十分であることを認識してください。氷枕などでクーリングを図ること大切です。また、外傷の急性期に温湿布を使用することは避けてください。

さらに、皆さんが冷湿布と考えられているものの中には経皮吸収型鎮痛消炎剤といわれているものがあります。膏体の中に鎮痛消炎剤が含まれています。私たち整形外科医が日常的に処方する冷湿布の大半がこのタイプです。